「安全に出す」は一つの方法ではありません。切替速度、ロールバック、運用コスト、観測できる利用者数を基準に、方式を選べるようにします。
利用者への流し方を変えると、リスクと運用負荷も変わる。

ローリングは新旧タスクを少しずつ入れ替える。Blue/Greenは二組を用意して経路を一気に切り替える。カナリアは一部の利用者から段階的に広げる。
| 方式 | 切替 | 戻し方 | 向く条件 |
|---|---|---|---|
| ローリング | タスクを順次置換 | 新タスク定義へ戻す | まず検討する標準解 |
| Blue/Green | 経路を一括切替 | 旧環境へ経路を戻す | 失敗コストが高い |
| カナリア | 一部利用者から拡大 | 配信比率を0へ戻す | 十分な利用量と監視がある |
方式は流行で選ばず、切替・戻し方・観測可能な利用量の3点で選ぶ。
新環境を検証してからトラフィックを切り替える。

新旧環境を同時に維持するため、問題時はルーティングを旧環境へ戻す判断が明快になる。代わりに二系統を用意・監視するコストを負う。
| 確認項目 | 切替前 | 障害時 |
|---|---|---|
| 新環境 | 本番相当の検証を完了 | Greenを切り離す |
| ルーティング | Greenへ切替可能にする | Blueへ即時に戻す |
| 運用コスト | 二系統を監視する | 旧環境の保持期限を決める |
Blue/Greenの価値は「新環境を作ること」ではなく、戻す経路を残したまま切り替えられること。
少量配信は「安全」そのものではなく、早く異常を観測するための方法。

利用者が少なすぎると小さな配信比率では実利用が発生せず、検証にならない。割合を上げる基準と、止める基準をメトリクスで先に決める。
| 判断 | 具体化 |
|---|---|
| 開始割合 | 利用量に合わせて小さく開始 |
| 拡大条件 | エラー率・遅延・重要業務の成功率 |
| 停止条件 | 基準逸脱時に配信停止して旧版へ戻す |
カナリアは、観測と停止の条件を事前に決めて初めて安全弁になる。